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ワンワンポスト
ちょっと悲しいお話
     自分が小学校にあがったころのこと。
通学路の途中にわりと大きな公園があった。
そこに、緑色をしたふた付きの大きな木の箱がぽつん。
当時の自分なら3人くらい入れそうなほどの大きな箱。
その箱は「ワンワンポスト」と言う。

いったいなんの箱か?
犬や猫を捨てる箱である。
飼えなくなった犬や猫などの動物を入れると保健所が引き取りにきて、
処分してくれるという代物であった。

その箱は公園の通学路に面したところにあった。
登校と下校のとき、みんなで必ずその箱の中をチェックしていた。
そして、何も無いとみんなホッとしていた。

その箱に犬や猫が捨てられるとどうなるのか、真偽のほどはともかく、
当時は友達の誰かがこんな風に言ってたのをみんな信じていた。

「保健所に連れて行かれた後、殺されて動物園のライオンのえさにされちゃうんだよ」

だから、その箱に入れられると言うことは死んでしまうということなのだ
と、みんな思っていた。
みんなそう思っていたから、犬や猫がそこにいると悲しかったものだ。

どうして捨てちゃうんだろうね?

小学1年生の子供達に飼い主の事情などわかるはずもない。
明日になったら死んじゃうなんてかわいそうだ…

今なら、新しい飼い主を探すとか思いついたのかもしれないが、当時は
そんなこと思いつくはずもなく。

何も出来なかった。
ただ、一緒に遊ぶことしか出来なかった。給食の残りのパンをあげたり…
そんな日はいつも帰りが遅かった。母親には帰りが遅いとよく叱られた気がする。
帰るときはいつも泣きそうだった。泣いていたこともあったかもしれない。
仕方ないんだとなんとなくわかってはいたが、なんだか悲しかったのだ。

遊ぶ以外に何も出来ない自分達が情けなかったのかもしれない。
明日には死んでいるんだと思うとそれがとても悲しかったのかもしれない。
大人ってなんて残酷なんだと漠然と思っていたのかもしれない。

犬や猫を捨てるための箱が公園に堂々と設置されていると言うのがなにか悲しい。

今もあるんだろうか。


この箱、以前に『巨泉のこんなものいらない』と言う番組で取り上げられたことが
あるので、知っている人もいるかもしれないですね。自分は見てないですが。(^^;

ちなみに、現在は市民団体などから抗議があったようで廃止されたそうです。


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